安易な励まし、力任せの説得やめて傾聴を 精神科医・松本俊彦さん[毎日新聞より]♪

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 子どもの自殺が夏休み明け前後に増える傾向があります。連載「新学期、耳を澄ませて」では専門家や子どもの頃につらい経験をした人たちへのインタビューを通じて、子どもの気持ちに思いをはせ、周りの人ができることを考えます。

精神科医・松本俊彦さん(56)

「自傷・自殺する子どもたち」などの著

書がある精神科医の松本俊彦さんは、SOSを出す子どもたちに対し、善悪の基準で正論を言ったり、安易に励ましたりすることを避けるよう訴える。では、どのような寄り添い方が求められているのだろうか。【聞き手・戸田紗友莉】

――なぜ夏休み明けに子どもの自殺が増えてしまうのでしょうか。

◆学校がしんどい子にとっては、夏休みはしんどい場所から離れられる一時。一回楽になってもう一回地獄に行くのってつらいですよね。楽になっただけに自分がいかに無理をしていたかを痛感します。2学期は文化祭や修学旅行などの多くの行事があり、期間も長く、クラスに溶け込めない子たちにとっては想像することすら恐ろしい気がします。だから2学期を前にしてつらい気持ちになる子どもたちは結構いるだろうなと思います。

――どうして子どもたちは自殺という手段を選んでしまうのでしょうか。

◆子どもたちの世界はとても狭く、いろんな選択肢があることを実感できていないと思います。小学4年くらいまでは家庭が、高校1年くらいまでは学校が世界の全てであるような気がするんですよ。その中で行き詰まると、世界が終わったような、「自分は生きていてもしょうがない」という気持ちになりやすいのかなと。大人たちよりも早い段階で苦しくなるという気がしますね。

 また、少なくとも中学生年代までは大人と違う死生観を持っていると言われ、中学生の3割5分くらい…

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